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月経周期調整とは
旅行や試験などの大切なイベントに、生理が重ならないようにしたいとお考えの方に、ピルを使用した月経周期調整があります。
薬を飲み始めるタイミングによって方法が変わるため、生理を移動させたい日の1カ月前に来院していただくことをおすすめします。
使用する薬について
月経周期調整には、中用量ピルを使用します。主に避妊や月経トラブルの改善目的に使用する低用量ピルとの違いは、女性ホルモンであるエストロゲンの配合量です。中用量ピルはホルモンの配合量が多く効果が高い一方で、副作用のリスクもあります。成分や使用目的の違いをしっかりと理解し、正しく利用することが大切です。
低用量ピル | 中用量ピル | |
---|---|---|
成分(エストロゲン量) | 50㎍未満 | 50㎍ |
使用目的 | 避妊、PMS・生理痛・月経量の改善 | 月経移動、アフターピルとして使われることもある |
メリット | 最も多く用いられている | 短期間で効果がある |
飲み方 | 休薬期間以外は基本的に1日1錠を毎日飲む | 生理を起こしたい日から逆算して数日間飲む |
※表は左右にスクロールして確認することができます。
副作用について
- 吐き気
- 発疹、肌のかゆみ
- 不正出血
- 乳房のはり
- 便秘、下痢
- 食欲不振または増進 など
低用量ピルに比べ、これらの副作用のリスクは高まりますが、重大な影響を及ぼすことは少ないと考えられています。
月経周期調整の方法
生理を早めたい場合
ずらしたい生理の前の生理が始まってから5日以内に、ピルの服用を始めます。2週間ほど服用を続けたあとに薬を中止すると、2~3日後に生理が来ます。
1カ月前から計画的にピルを飲む必要があるものの、大切な予定の日にピルを飲まなくてよいので、副作用のリスクを減らせます。
例:8/20が生理予定日で重ならないようにしたい
- 7/25 ピルの服用を始める
- 8/8 ピルの服用を中止する
- 8/10 生理が来る
- 8/20 本来の予定日には生理が終わっている
生理を遅らせたい場合
生理の予定日の5日ほど前からピルを服用すれば、服用している間は生理が来ません。生理を避けたい日が過ぎたら服用を中止し、2~3日後に生理が来ます。移動できるのは7日前後で、これ以上長く服用することはできません。
なお生理を移動させても生理周期は変わらないので、遅れて生理が始まった日が次回以降の新たな基準となります。
例:8/20が生理予定日で重ならないようにしたい
- 8/15 ピルの服用を始める
- 8/20 生理予定日
- 8/25 ピルの服用を中止する
- 8/27 遅れて生理が来る
月経周期調整の注意事項
- 必ずしも希望通りにはならないことをご理解ください
- 安全を考慮し、40 50歳以上の方にはピルの処方ができません
- 生理周期が把握できていない、もしくは安定していないという場合は、通常よりも調整が難しくなります。早めにご相談ください
- ストレスや過度なダイエットなどで生理の予定日がずれることがあります。月経周期調整を考えている期間は、なるべく規則正しい生活を送るようにしましょう など