ご予約・お問い合わせ03-5206-3710
- HOME>
- 子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣腫瘍
子宮筋腫
子宮筋腫とは子宮の壁に発生する良性の腫瘍です。女性ホルモンのエストロゲンが関わっていると考えられており、小さなものを含めると成人女性の20~30%に見られます。
子宮筋腫の主な症状
- 月経量の増加
- 経血にレバー状の塊が混ざる
- 貧血
- 動悸・息切れ・めまい
- 頻尿・便秘
- 腰痛 など
子宮筋腫の発生場所と種類
筋層内筋腫
子宮の筋肉の中にできる筋腫で、子宮筋腫の70%ほどを占めます。サイズが小さい間はほとんど症状がありませんが、大きくなるにつれ過多月経などが見られます。
粘膜下筋腫
子宮内膜の内側にできる筋腫です。月経量の増加や貧血など、症状が現れやすいことが特徴です。
漿膜下(しょうまくか)筋腫
子宮の外側にできる筋腫です。子宮内部を圧迫することがないため、自覚症状がほとんど見られませんが、茎部がねじれてしまうと激痛を起こすことがあります。
子宮筋腫の治療
症状がなく筋腫が小さい場合は、経過観察です。治療を必要とする場合は、年齢や症状に合わせて投薬や手術を検討します。妊娠・出産を希望されているかも治療選択の重要な情報になります。
子宮内膜症
本来は子宮の内側にしかない子宮内膜組織が、卵巣や腹膜などで増殖・剥離を繰り返す病気が子宮内膜症です。剥がれ落ちた子宮内膜組織は経血として体外に出ていきますが、子宮以外で増殖した内膜組織は腹腔内に留まり、炎症や痛みを引き起こします。
子宮内膜症の主な症状
- 強い生理痛
- 経血量が多い、生理期間が長い(過多月経)
- 月経時以外の下腹部痛
- 腰痛
- 性交痛
- 排便痛 など
子宮内膜症の発生場所と種類
腹膜子宮内膜症
腹膜や臓器の表面に数mm程度の病変が現れます。画像診断では正確に診断することができないため、開腹手術が必要になります。子宮や卵巣、腸管の癒着を起こすこともあります。
卵巣子宮内膜症
卵巣の内部に発生する子宮内膜症を指します。チョコレートのように古い血液が溜まっていくので、卵巣チョコレート嚢胞とも呼ばれます。腫瘍が10cm以上ある場合や、40歳以上の方、腫瘍内にこぶが見られるときは注意が必要です。
深部子宮内膜症
子宮と直腸の間のくぼみ(ダグラス窩)に発生することが多く、強い性交痛や排便痛が起こることがあります。見つけづらく手術がしにくい病変だと言われています。
他臓器子宮内膜症
肺や膀胱、尿管、腸管など、体のどの部分にも発生するもので、月経時に様々な症状が現れます。
子宮内膜症の治療
卵巣チョコレート嚢胞がなく、腫瘍が小さい場合は、痛みを抑えるための抗炎症薬や漢方などで様子を見ます。ただし子宮内膜症そのものを改善するわけではないので、進行したときはホルモン療法やピルの服用を検討します。
また再発リスクや妊娠・出産を希望するかなどを確認しながら、開腹手術や腹腔鏡手術を選択する場合もあります。
卵巣腫瘍
左右に1つずつある卵巣にできる腫瘍を卵巣腫瘍と言います。腫瘍が小さければ無症状で月経も順調ということが多いものの、20cm以上の大きな腫瘍になることもあります。
卵巣腫瘍の主な症状
- 腹部膨満感
- 頻尿、便秘
- 足のむくみ など
腫瘍が破裂したり、一部がねじれたりすると激しい腹痛が見られることもあります。
卵巣腫瘍の種類
卵巣嚢腫
卵巣内に脂肪や液体が溜まってできたものを卵巣嚢腫と言い、ほとんどが良性です。発生する原因はよくわかっていませんが、中身によって4種類に分けられます。
漿液性嚢腫
卵巣から分泌される漿液(しょうえき)という透明の液体が溜まって起こるもので、思春期以降、年齢を問わず発症します。
粘液性嚢腫
ゼラチン状の粘液が溜まって起こります。閉経後の女性によく見られ、悪性腫瘍との区別が難しい場合があります。
皮様性嚢腫
生殖細胞が分裂するときに成熟途中のものが混入することで起こり、歯や毛、脂肪、軟骨などの成分が含まれます。20~30代の女性によく見られますが、高齢者ではがん化することがあります。
チョコレート嚢腫
子宮内膜症が卵巣内に発生したものです。
充実性腫瘍
触ると硬い腫瘍で、悪性腫瘍(卵巣がん)の可能性が高いです。晩婚化や出産人数の減少、食生活の欧米化などを背景に、増加傾向にあると言われています。初期にはほとんど自覚症状がないものの、急速に肥大し下腹部の違和感に気づいたころにはかなり進行しているというケースもあります。
卵巣腫瘍の治療
腫瘍が良性であっても、治療は手術を行うことが一般的です。症状により、腫瘍だけを摘出する場合と卵巣の全摘出をする場合がありますが、卵巣は片方を摘出しても妊娠が可能です。